大工棟梁の苔原さんも来られていて、伝統的な貫や屋根の納まりについて、原寸大のモックアップを交えて実践してくれた。
特に僕が興味深かったのは、木組みの屋根。
例えば、3寸勾配(約17°)の角度で屋根がかかる場合、隅木(*1)は、もうちょいと角度が緩くなる。
桁や垂木、母屋・隅木等の木材は「噛み合わせ」て組むから、角度が複雑になると刻みはさらに複雑になる。
設計はパソコンがあるから、コンピューターで角度や長さは”チャチャッ”と出るけど、大工さんは、差金(サシガネ)一本でそれをやっている。
不思議でしょうがなかった。
以下解説。
話はややこしくなるので原理だけ言うと、
差し金には表目と裏目があって、裏目が√2倍で目盛りが刻んである。
「表目」での垂木の長さと角度を出して、「裏目」で隅木の長さや角度を出す。
45°で交わる垂木隅木は、表目・裏目を組み合わせて、”チャッチャッ”と角度と長さを決めて、墨付け(*2)が出来ると言う訳。
以上が原理で、その組合わせを複雑にすれば、屋根架構の墨付けは出来ると言うことだ。
以上が原理で、その組合わせを複雑にすれば、屋根架構の墨付けは出来ると言うことだ。
画:hiromichi yasuda
(*1)垂木方向に対して45°に取付けられ角に向かう部材
(*2)材料を加工する前に、墨つぼと墨さしを使って木材に印を付ける作業。
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