環境デザイン・アトリエ

横浜の建築家からのメッセージ。
日々感じた事を綴ります。

2014年11月28日金曜日

赤瀬川原平さん

先日、赤瀬川原平さんが亡くなられた。
若い頃は前衛芸術家、後半生は文筆活動が主だったけれど、僕はその後半生で赤瀬川さんを知った。

前衛芸術家をやめてから(?)、藤森さんらと建築探偵団をやったり、あと「ニラハウス」(*1)(藤森さん設計)の施主になったり、と、僕らの世界でも名の知れた人だった。

もうだいぶ前になるけれど、その「ニラハウス」が出来るまでの顛末記、「我が輩は施主である」を読んだ時、面白い人だな〜と思って、他の本も幾つか読みあさった記憶がある。

「我が輩は施主である」では、設計者のF森教授に依頼して自邸を作りは始めるのだけれど、F森教授の繰り出す多彩な妙案奇案に巻き込まれながらも楽しんでいる様がおかしい。

赤瀬川さんは、「我が輩は施主である」と言ってる割にどこか受け身なところが愛らしくて、そこに共感できたのかもしれない。
ニュースを聞いて、そんな事を思い出した。

ご冥福をお祈りします。


*1「ニラハウス」
 大きな切妻の家で、屋根に、植物のニラが、チョロチョロ生えている。
 剛毛というより産毛の様なヒョロヒョロしたニラで、その外観にはちょっと笑みがこぼれてしまう。 
画:hiromichi yasuda



2014年11月23日日曜日

酉の市

例年、この時期になると気心の知れた友人と酉の市に出かける。
いつからか、酉の市の熊手を買った後みんなで居酒屋に行くのが恒例となった。


もうかなり昔になるけど、「日本全国酒飲み音頭」という歌が流行って、
子供ながらに単なる飲んべえの歌、と思っていた。

「1月〜は、正月〜で酒が飲めるぞ〜、酒が飲める飲めるぞ〜酒が飲めるぞ〜♪」
「2月〜は、豆まき〜で酒が飲めるぞ、酒が飲める飲めるぞ〜酒が飲めるぞ〜♫
この調子で、3月ひな祭り、4月花見・・12月のドサクサまで、毎月、何かと理由をつけては飲む、という歌。

年中行事のように定期的に集まっては、お酒を飲んでバカ話に花を咲かせる。
そんなに飲んべえでは無いけど、年に数回、行事にかこつけた飲み会で、友人の失敗談や冗談にゲラゲラ腹を抱えて笑うおっさんも悪くない、と思うようになった。
・・・・・・
歳かしら・・・
画:hiromichi yasuda


2014年11月18日火曜日

名詞・副詞・形容詞・動詞

昔は英語が不得意で、とにかく単語が覚えられなくて苦労した。
スラスラ覚えられる人に憧れたもんだ。

ま、だからって、最近は日本語すらもあまり上手く使えてないけど・・・
名前とか出てこなくって、あの人、あの人、とか言ってるし。

そう言えば、聞くところによると、固有名詞が出てこないのはまだ序の口で、
そのうち、一般名詞が出てこなくなるんだと。

で、まだその先があって、副詞・形容詞にいって・・・最後、動詞が出なくなったところでやっと打止め、とか。

アレがああして・・・あんなに、アレだったのに・・・

・・・・最後は、動詞かぁ・・・・

画:hiromichi yasuda

2014年11月15日土曜日

瀬戸内弾丸旅行

先日、突然、瀬戸内海に行った。
どうしても瀬戸内の海が見たくなって・・・と言うのはウソで、イランから来日している知人のアテンドも兼ねて、瀬戸内はどう?と友人に誘われたので。
イランではお世話になったし。

仕事があるから、一泊だけの弾丸旅行・・・
なんとももったいないけれど、密度は濃かったです。

犬島から豊島へ渡って岡山へ。島々の風景やアート・建築作品を見ながら、最後はSANAAの未発表作まで見て、建築三昧、アート三昧、風景三昧の旅だった。
(あと、英語三昧)

瀬戸内国際芸術祭は今はオフシーズン。
平日でもあり、静かに見られるかな?、と思っていたけれど、結構な人出だった。
島々を巡る旅は、確かに根付き始めている。

出会った村の人は、みんなイイ人だった。
画:hiromichi yasuda



2014年11月11日火曜日

地鎮祭

アパート(我が社設計)の地鎮祭が行われた。先日。
初めての仏式の地鎮祭だった。

神主さんではなくて、先達さん・・・(ま、仏式なんで、祝詞をあげる神主さんの役回りをする人を、先達さんというのだけれど)に行事内容を聞いたところ、
仏式とは言っても、神道の場合とほとんど変わらなかった。

お供え物も同じだったし、
玉串ささげて、二礼二拍手一礼も、同じだったし・・・

ただ、祝詞?(仏式だから、祝詞とは言わないか?・・ま、いいですね・・)
が、お経のような、念仏のようなアクセントで、心地よいあの独特の平明な抑揚の感じは確かに仏式、と思った。

と言う訳で、
土地の神様だけじゃなくて、お釈迦様にも見守ってもらって、怪我なく無事工事が終わりますように。
画:hiromichi yasuda


2014年11月3日月曜日

芸術の秋

芸術の秋。。。デスネ。
11/3が最終日の展覧会が多くて、今日までにイロイロ駆足で廻る事になった。

一番印象深かったのは、国立近代美術館でやっていた「菱田春草」展。
僕の知る限り、菱田春草展では最大規模の展示だった。

簡単に紹介すると、菱田春草は岡倉天心に師事して、横山大観や下村観山らと日本画の改革発展に尽力した人。

でも、36才という若さでこの世を去ってしまう。
活動期間は短いけれど、僅かの期間で数々の新しい技法にチャレンジして日本画の歴史を大きく前に進めた人。
モーツアルトや芥川龍之介みたいに太く短い芸術家の典型で、多くの傑作を残した。

何を隠そう、十数年来、菱田春草のファンである。
とある展覧会で偶然「落葉」を見て、こりゃスゴい、と思ってファンになった。
以来、彼の作品集を買い、熊本の美術館に作品があると知れば訪れ、横須賀美術館に「落葉」が来ると聞けば行き、国立近代美術館には何度か足を運び・・・とまあ、おっかけに近い、ファンである。

とにかく、上手い。
素人の僕が見ても、抜群に上手いと思う。
構図、タッチ、そして色彩、どれをとっても、グゥ、グゥッ〜と、引き寄せる力がある。

人気の作家だからお客さんが多かったけれど、オバちゃんに負けじ、と群衆を掻き分けて、正面近くから絵を見せてもらった。

↓これが「落葉」です。
画:hiromichi yasuda