環境デザイン・アトリエ

横浜の建築家からのメッセージ。
日々感じた事を綴ります。

2015年8月27日木曜日

競歩の魅力

たまたま付けたテレビで、「競歩」をやっていた。
どちらかというと地味な種目だけど、日本人が世界記録を持っているらしくて珍しくテレビで完全生中継をしていた。

しばらくして、アナウンサーや解説者の中継を(かなり違和感をもって)聞く事になった。

「◯△選手、良い位置取りで、[歩いて]おります」
「ええ、この位置で、虎視眈々と先頭を伺いながら[歩いて]欲しいですね
「表情は、まだ余裕のある[歩き]ですね・・・・」

・・・[歩く]を連発されると、なんかちょっと拍子抜けしてしまう。


競歩は、どこか便秘に似て・・って言うか・・・急いでるけど走ちゃいけない、という不自然さが、出そうで出ないアレに似て、スッキリしないスポーツだな・・・と、終始思ってたけど・・・・・
でも、完走・・・あ、いや、完歩した選手は清々しい顔をしてたから、そうでもないのかな?
画:hiromichi yasuda


2015年8月24日月曜日

仕込み

[仕込み]・・・料理などで,下ごしらえすること

例えば、お鮨屋さん。
カウンターで注文すると、板前さんがちゃっちゃと握ってくれてその手さばきに感心するけど、実は[仕込み]が大切、と聞いた事がある。
何事も、見た目の鮮やかさに惑わされちゃいけない。

話は変わるけど、建築学科の授業では、大きく分けてに[座学]と[実習]がある。
この、[座学]と[実習]は、
実は、学生の立場、と、先生の立場、とでは大きく異なる。

簡単に言うと、学生にとっては座学は楽。実習は大変。
しかし、先生にとっては、実習に比べて明らかに座学は大変。
パワポとか駆使して話す順番も考えて、その日の講義の内容を準備しなくちゃいけないから、結構骨が折れる。
ましてや、今年からの講義だと、一から準備しなくちゃならない。

10月から、後期講義の「図学2」が始まる。
[仕込み]をちゃんとやっておけば、カウンターの前のお客さんに満足してもらえるように、学生に面白い授業になる・・・・と思って、せっせと準備を始めている。
画:hiromichi yasuda

2015年8月21日金曜日

いつもと違う時と場所で出会うと・・・

人は、いつもと違う時と場所で出会うと、顔は知ってるけど誰だっけ? となる・・・ことがある。
たぶん、「場面」つまり「出来事」や「映像」がセットになって記憶されているんだろう。何かのきっかけでそれがズレると、顔はしってるけど誰だっけ?と。

先日、昔働いていた[職場]のビル屋上で、花火パーティがあった。
会場には、もと[職場]のご近所さんやビルオーナー達、懐かしい面々がいた。

その中に、どこかで見かけた女性がいた。
相手も、僕の顔を見て知っている様子。
近くまで行って、「どこかでお会いしましたっけ?」と話が始まったのだが・・・・
話が進めども、お互いにどこで会ったか思い出せない。必死にビルの関係者を思い出そうとするけど、記憶の糸は切れてしまう。

「私、フラワーアレンジメントをやってまして・・・」という言葉が出たとき、あ、もしかして、上に住んでる人・・・
朝、出かける時に「おはようございます」と挨拶を交わす、[自宅]マンションの同じ住人だった。

(・・・単に、記憶の回路が切れてるだけですかね・・・・)

画:hiromichi yasuda




2015年8月17日月曜日

エッセー集を読んでいると・・・・

BOOK OFFで購入したエッセー本を読んでいた時、ページ右上が、折込んであるのに気が付いた。
しばらく読み進めると、また。
15分ぐらい読むと、また。

よく見ると、ほぼ、同じ間隔で、ページ右上が折り込んであった。
「しおり」代わりでページに折り目を入れていたのだろう。(僕もたまにするから)

シャーロックホームズだったら、通勤電車で読んでいる前提で[この本の前所有者は、職場と自宅は比較的近い。乗換え無しで職場まで行ける。ガラケーを使う年配の人]
とか推理するんだろうか。

ところで、更に読み進めると、それまでの規則性が崩れて、2ページ先、時間にして、2・3分、つまり折り込みページが2ページ続いていた。
こうなると、ちょっと気になってしまう。

例えば、そこで何か事件が発生して、本なんか読んでいる場合じゃなかったとか。
急にお腹がゴロゴロしてきて、我慢出来なくて、途中下車したとか。
あるいは、下車した時、どうしても先が読みたくてそのページを読んで落着いた、とか。

・・・・・・想像力を膨らますのも、また楽しい。

画:hiromichi yasuda

2015年8月13日木曜日

秋のお祭り

この夏、東北の祭りを見て、子供の頃の祭りを思い出した。

実家の村では、秋にお祭りがある。
東北の三大祭りと比べたら、比較にならない小さい祭りですが・・・・
起源はたぶん収穫祭。

子供の頃は、祭りの数週間前から、公会堂に呼び出されて踊りの練習をしたものだった。
日が暮れてからの練習で、その時間になると、青年団の練習も始まっていて遠くからドンドンという太鼓の音が響いていた。

子供を集める為に、お菓子やらジュースやらを用意して、それを餌に練習に参加させて・・・と大人は思っていたけれど、実は子供は太鼓が鳴り始めた「夜に」家を出る好奇心、というか非日常生に、毎日通っていた。(と思う)

東北の祭りを見て、田舎の祭りの笛や太鼓の音が甦って来た。
今年は、田舎の村祭りに、帰ろうかしら。
画:hiromichi yasuda

2015年8月10日月曜日

黄金町界隈を散歩

まいにち、まいにち、僕らは鉄板の〜・・・・上で焼かれる感じ。
黄金町で、暑くて気力が萎えている今日この頃です。

集中力を欠いて仕事をしていると、事務所に東北工業大学の新井さんが、学生を3名つれてやってきた。丁度、一息ついているところだったので、いいタイミングだった。

新井さんは、住まい、街づくりをテーマにした研究者である。今回は、黄金町の街を学生に見せたいから、とやって来た
お互いに情報交換をしてから、そろって黄金町の街歩きを始める。

事務所を出た後、ご近所のアーティストさんのアトリエを覗く。
この時期の黄金町は、バザール2015(アートイベント)の準備期間で、
アーティストの皆さんは、それぞれアトリエに籠って創作を始めていた。
「間に合わない〜!」と半ば笑いながら半ば泣きそうな表情で製作していたり、黙々と粘土を捏ねていたり、それぞれがそれぞれの方法で開催に向けて準備をしている。

バザールが始まる前の黄金町は、展示の開催時期(10/1〜11/3)とは違った意味で面白い。一見、日常だけれど、アトリエそれぞれに静かな熱気がある。
新井さんとその学生さんは、黄金町の「もう一つの面白さ」を体験できたのではないかしら。

暑い暑い夏が終わった頃、いよいよバザールが始まる。
黄金町バザール2015
https://www.koganecho.net/koganecho-bazaar-2015/

画:黄金町エリアマネイジメント

2015年8月7日金曜日

東北のお祭り(青森ねぶた祭り)

例えば、テレビ画面に映し出されたお祭りで、一度体験したかったのが、ねぶた祭り。
武者絵の描かれた山車灯籠(ねぶた)を、人々が引きながら練り歩くお祭り。
この夏、初めてねぶた祭りを体験した。

夕刻、暗くなりだした市中に、太鼓の音が鳴り響く。
祭は、ドンドンという太鼓の音で始まった。

太鼓と笛、山車灯籠、市民のかけ声に徐々に観客も興奮してきて、その観客も含めた全てが祭を盛り上げていた。
よく山車灯籠(ねぶた)が注目されるけれども、その脇を固める要素全てが祭を作っている。

建築体験も似ているところがあって、建築の見た目の効果、だけじゃなくて、人の振る舞い、場の空気や音まで含めた空間全体がその良さを作る。

僕にとっての「いい建築体験」はそれで、設計者としてそこに参加出来たら幸せに思う。
画:hiromichi yasuda


2015年8月4日火曜日

東北のお祭り(盛岡さんさ踊り)

東北の祭りが見たくて、この夏、みちのくに行った。
最初に行ったのは、盛岡、さんさ踊り。

お腹に抱えた太鼓をどんどこどんどこ叩いて、小刻みなステップを踏みながら行進するのが さんさ踊り。

どんどこどんどこ太鼓を叩いて、
つま先でトントン、とステップ。

どんどこ、トントン、どんどこ、トントン、
リズムと仕草がとても愛らしい。

聞くところによると、今の行進パレード、という形になったのは、昭和に入ってからだとか。
伝統も、時代に合せて変化してるんだそうだ。


画:hiromichi yasuda