環境デザイン・アトリエ

横浜の建築家からのメッセージ。
日々感じた事を綴ります。

2014年2月28日金曜日

JIA神奈川建築WEEK

今日から3/3までの4日間、神奈川建築WEEKが始まる。
僕も、本日18:00からの「仮設住宅、復興住宅から考える震災への備え」というシンポジウムでパネラーを務める。
(時間がある人は足をお運びください)

昨日から、どんな内容の話をするか?パワポ写真の整理と資料のチェックをするのだけれど、同時にこの時間が、これから僕は建築を通してなにをするのが良いのか? を考えるきっかけにもなっている。

東北で個人的に関わった幾つかのプロジェクトについて、出来るだけ解りやすく丁寧に話をしようと思う。

*内容についてはこちらです。
http://www.jia-kanto.org/kanagawa/event_week/2014/index.html
画:hiromichi yasuda



2014年2月26日水曜日

忙しくなると・・

最近気が付いた事がある。
忙しくなると、蔵書が増える。。

どういう事かと言うと・・・

仕事は図面を描く作業が主で、〆切りが近くなると殆ど一日中パソコンの前にいる。
図面作業に疲れてくると、インターネットのアイコンをポチッとやって、ニュースやyou tubeやfacebookのサイトを覗いてしばらく休憩。

その一環として、amazonとヤフオクは定番になっていて、もっぱら建築の書籍コーナーが中心だけど、掘り出し物は出てないかな〜とついつい覗いてしまう。

また最初のページが、あなたへのオススメはこれでしょ!的な構成になっていて・・・・疲れた頭には、抵抗する術が・・・無いのです・・・


画:hiromichi yasuda







2014年2月24日月曜日

営業の人

昔務めていた事務所でお付合いのあったメーカーの人が、久しぶりに僕の事務所に営業に来た。
十数年ぶり。

以前よりやや白髪が増えたけれども、のんびりした口調は昔と同じ。
営業に来たのか、世間話をしに来たのか・・・・

こちらはこちらで仕事に追われてギスギスしていたので、丁度良い息抜きになった。

一通り話し終わってコートに手をかけながら、
「私ももうあと2年で定年です」と言って、帰っていった。
画:hiromichi yasuda

2014年2月21日金曜日

雪が積もって

先日の雪で関東は大変だった。
横浜でも数十センチ積もって、これだけの大雪はあまり記憶に無い。

天気が回復した翌日は、シャーベット状の雪の上を歩かなければならず、靴からしみこむ水が靴下を濡らすのには閉口した。だから、人々は当然のように除雪した道を選んで歩いている。

ところが、子供を見ると、あえて雪の上を歩こうとしている。ほぼ例外無く・・・
そう言えば僕も子供の頃は好んで雪の上を歩いたか・・・・



大人達は、濡れた靴下がしばらく不快な時間を費やすであろう[過去の経験]から、雪の上を歩かない。

子供達は、サクサクした雪の感触[未知の経験]を目指して、雪の上を歩く。

雪が降ると、「大人」と「子供」、と言う人種の違いが典型的に現れる。
画:hiromichi yasuda



2014年2月18日火曜日

4位

オリンピックで、日本の選手も沢山メダルもらってる。
羽生選手の金メダルはみんな喜んだし、葛西選手の時は僕も朝日新聞の号外もらって一緒に感動した。

ところで、3位までがメダルなのはどうしてだろ?
なぜ、4位までじゃないんだろう?
3位と4位に雲泥の差があるのは金銀銅メダルがあるからで4位までメダルがあったらなくなるのに。

そんな事を思ったのは、上村愛子さんのモーグル。
あまりにも気の毒で・・・・

4位にもメダルがあったら、上村さんも、彼女を応援したみんなもがっかりすること無かったし、そもそも、バンクーバーでめでたく引退してたかもしれないのに・・・

そんなことを考えていたら、じゃ、4位のメダルどうしようか?と考え始めた。
1位は金、2位は銀、3位は銅だから・・・4位はアルミ?

アルミだと・・・・アナウンサーはなんて言うんだろ? 
「ズッシリと重い金メダル!」・・に対して、
「軽やかなアルミメダル!」
・・・・・なんか、ちょっと感動が薄そう・・・
画:hiromichi yasuda







2014年2月16日日曜日

メタボリズムの時代と建築その2(中銀カプセルタワー)

前回に続いて、メタボリズム。


ちなみに、メタボリズムとは、[新陳代謝]の意味で、おじ樣方が心配する病気[メタボ]と語源は同じ。(新陳代謝の低下に伴うおじさまのお腹が、メタボ


中銀カプセルタワーは、黒川紀章さんの設計で1972年に作られた。
変な形をしたビルで、四角いカプセルがポコポコ貼付いている塔状の建物だ。

当時の黒川さんの説明を聞くと、これからの人は街から街へ移動して、土地に縛られた定住、をしなくなる。だから住戸もどんどん個別化・複数化して各々は最小限の(仮)住まいでいい。
だ・か・ら[カプセル住宅]

この時代は「未来」が大きなテーマで、その思想が都市や建築の主題であり、その実現が建築家の使命だったみたい。

内装は、実に良く出来ている。
テレビ、電話、時計、ベッドなどがビルトインされていて、さながら今日のビジネスホテルのような様相。また、メールボックスから電気のメーターボックス、電話・机・時計やその収納家具までオリジナルに設計されていて、デザインの黎明期にある苦労と羨望をいっしょに感じることになった。

隅々まで見せて頂いてホント面白かった。
カプセル店子の松野さん、どうもありがとうございました。

2014年2月14日金曜日

メタボリズムの時代と建築その1(静岡新聞社)

横浜の建築家仲間で、メタボリズム(*)時代の建築を見学する事になった。

新橋に当時の代表作が二つあるから、建築見学を企画しちゃおっか?・・という軽いノリだったけれど、実物を見るとディープで面白い見学会になった。

まずは、静岡新聞社のオフィスビル。丹下健三さんの設計で、1967年に完成している。
新橋駅から外苑通りを北にむかうとすぐにある目立つビルだから、知っている人も多いと思う。

当時は首都高や新幹線、地下鉄線などの交通網がドンドン整備されていって、東京は毎日お祭り騒ぎの建設ラッシュだった。(と思う)
そんな時代の建築は、やっぱりその時代の価値観を実に良く表している。

オフィスビルの問題は、最近だと経済性とか、エコロジー(省エネ)とか、執務空間の快適性とか、人にも環境にもお財布にも優しいことがテーマになるけれど、丹下さんの建物はもっと骨太で「都市」の成長や効率性がそのまま建築のアイデアになっている。

センターコアのシャフトと枝葉のようにくっつく執務空間がそれで、このアイデアは建築計画でもあるけれど、もっと大きな都市のシステムにまで繋がるアイデアだった。
物理的にはそんなに大きく無いけれど、静岡新聞社に込められた理念はとても大きなスケールのものだった。

丹下さんが設計する事になった経緯を聞いたり、普段はなかなか見られないところまで見せて頂いたりして、静岡新聞社の福地さん、どうもありがとうございました。

次回は、中銀カプセルタワーについて。
画:hiromichi yasuda
(*)メタボリズム:主に川添登 大高正人 菊竹清訓 槇文彦 栄久庵憲司 粟津潔 黒川紀章らによって提唱された建築運動



2014年2月10日月曜日

歴史家の鈴木博之さん

先日、建築・歴史家の鈴木博之さんが亡くなられた。
68歳は、まだ若い。

建築の歴史を調べる時には、まず鈴木さんの著書を読む事が多かった。
知識の量とバランス感覚とで、個人の好みを超えて最も信頼出来る一人だと思っていたから。
時代が変わろうとするとき、昔の人はどうしてたんだろ?と悩んだときは、鈴木さんの著作を読む事にしていた。

記憶に残っているのは、バブル期の座談会で、鈴木さん、中川さん、藤森さん、布野さん、松山さん、三宅さんという、当時の歴史家としては錚々たる面々で行われたもの。

戦後の空白期(1945〜50頃)についての話になった時、鈴木さんは、芸術家(建築家も含めて)はあるビジョンを提示して現実を乗り越える人達。でも戦災は、圧倒的な破壊によって、現実がビジョンを追い越してしまった、それが戦後の空白期の意味だ・・・と言っていた。

僕がこの座談会を読んだのは、東日本大震災の直後で、これから建築家は何をしたらいいんだろう?と、みんなが悩んでいた時期だったから、この鈴木さんの発言がとても腑に落ちた。

鈴木さんには、東日本大震災後のこれからについてもっともっと発言して欲しかったからとても残念です。ご冥福をお祈りします。




2014年2月6日木曜日

メタボリズムの建築

東京は、都知事選まっさかり。来週の9日には新しい都知事が決る。

ところで、もう過去の事なので覚えていないだろうけど、2007年の都知事選挙で黒川紀章さんという建築家が立候補して、建築界ではちょっと話題になった。
良くも悪くも目立つ人で、選挙カーに自分の設計したカプセルカーをつかったりするから色物扱いされたりして・・・同業者として、ま、ちょっとアレだったですけど・・・

そのちょっと変なおじさんも、1960年代の「メタボリズム」という、当時日本の建築界の一大ムーブメントの中心にいた人で、まぎれも無く建築界のスターだった。

高度成長期の「メタボリズム」(新陳代謝)は、東京の変化していく姿とオーバーラップして都市の「成長」を鮮やかにビジュアル化した。なんと言うか、時代の欲求と建築運動が手をつなぐ幸せな時代だったと思う。

当時の建築に向けられた熱気というか情熱を見たい・・・と思って、メタボリズムの代表作の一つ、中銀カプセルタワー(黒川紀章)を見学することにしたが・・・・
今の時代をビジュアル化したら、どんな建築になるんだろ?
画:hiromichi yasuda




2014年2月3日月曜日

甥の結婚式

甥の結婚式で名古屋に行ってきた。

幼い時から甥はちょくちょく実家に遊びに来て、僕の父親(甥にとっては、ジージ)は、初孫だった事もあり、新幹線に乗せると言っては旅行に、飛行機を見せると言っては旅行に、とにかく口実を作ってはイロイロなところに連れて行った。

友人などから語られる甥のエピソードに、僕ら親族の知らない彼の一面を聞きながらも、楽しく結婚式は過ぎていった。

式の終盤、甥からジージへ、プレゼントが送られるサプライズがあった。
驚いた親父(ジージ)は、目を真っ赤にして喜んで・・・・・
・・・・・・・
いい、ジジ孝行をしてくれた。

こっちも親孝行せな、あかんな。


画:hiromichi yasuda