環境デザイン・アトリエ

横浜の建築家からのメッセージ。
日々感じた事を綴ります。

2015年6月27日土曜日

大学の授業

学生の集中力というのは大したものだ、と、感心する事がある。

親に言わせると大学生活というのは「のらくら遊ぶ時期」で、当時嫌みを言われた記憶があるけれど・・・

横浜国大で教えている「図学」では、最初30分程講義をして、残り60分実習演習をするプロブラムである。

30分の講義、そして講義内容を踏まえた演習。学生は、一言も話をする事無く聴講し、演習が始まれば、シャーッという線を引く鉛筆の音だけが聞こえる。
・・・・・・・・・・・・・
ホントにそんな授業なの?・・・
ホントである。

勿論、必須科目という事もあるけれど、90分、よくもまあ集中力が続くと感心してしまう。と同時に、100名もの学生が机に向かって一つの事に集中している姿は、若さに嫉妬してしまうほど感動的ですらある。

念のため・・・スパルタ教育してる訳じゃないですから・・・・
画:hiromichi yasuda

2015年6月22日月曜日

姪の住宅

静岡に暮らしている姪の家族が家を建てる事になった。
姪については、以前に一度ブログに書いたことがある。(姪の結婚式

家を建てたいから、と相談してくれた時は素直に嬉しかった。

身内の設計を頼まれるのは、今度で3度目。
図面の描き方も判らない18才の時、設計で身を立てようと独立した34才の時、そして今回、50才。

まるで定点観測のように16年毎に話があり、それぞれの時期に応じて、力量、興味に違いはあるけれど、僕にとっては掛け替えのない経験に、なっている。

設計者としてのキャリアを重ねながら、節目節目にこうして声がかかるのは、身内と言うか・・・もっと大きな・・・なにか天からの応援?・とすら思ってしまう。

とにかく今出来ることを目一杯に、彼女達家族への素敵なプレゼントになるように、
努めよう。
画:hiromichi yasuda

2015年6月19日金曜日

静岡とサッカー

先日、静岡市に行った。
地方都市では、繁華街から人通りが減って苦戦していると聞くけれど、静岡の町を歩いていると、人通りが多くて比較的元気な街、という印象だった。

公園を横切ると、そこでサッカー少年とそのお父さん(らしき人)が、カラーコーンを立てて、ドリブル練習をしていた。

この少年、かなり上手い。(マジ、上手い)
まるで、足にボールが吸い付いているようで、その足さばき、さすが静岡・・・・と感心していると・・・
お父さんは、それでも納得いかないらしく、しきりに、激をとばしていた。
「そんなんじゃ、ディフェンス抜けんぞ!!オラオラー!」
・・・・・(オラオラーとは言ってなかったけど、そんな感じだった)
「ボールを持ったら、すぐターン! オラオラー!」
「最初の一歩が大事なんだよー オラオラー! 何〜んど言ったら判るんだー

巨人の星・サッカー編。(がんばれ未来のJリーガー!)




画:hiromichi yasuda


2015年6月15日月曜日

恩師が見せてくれた練習帳

先日、高校の部活動(水泳部)の恩師を囲む会があった。
恩師とは、実に32年ぶりの再会である。

みな、歳をとったものだ・・・
最後の記念写真では、高校の時とあまり変わらない恩師に対して、どっちが先生か解らない後輩までいて、改めて時の流れを知った。

恩師が、当時の練習帳を持って来た。
僕ら部員は順番にその日の出来事を書いて恩師がそれに対して返答するという、いわば交換日記のようなもの。

ページをめくって自分のところを見ると、下手くそな文字に誤字脱字。それを上から塗りつぶしているから、恥ずかしいまでに汚いページであった。
そして、最後にイラスト画。
文章とイラストというスタイルは、実はこの時からやってたんだ・・・・。
徐々に当時の記憶が甦って来ると同時に、今も変わらないそれに驚く。
17才の魂100まで。

恩師は、そんな日記に赤ペンで丁寧な返事を書いてくれていた。

2015年6月11日木曜日

武藤章さんと工学院の図書館

今年の4月から週に一度、工学院大学の八王子キャンパスに出かけている。
建築学生を教える為。

八王子キャンパスは建築の宝庫というか、著名な建築作品がゴロゴロしているのだけど、その中ではちょっと地味目な「図書館」がある。

この図書館、最近知ったのだけど、武藤章さんの設計である。
武藤章さんといえば、北欧の建築家アールト研究の第一人者であり、アールトの影響を最も受けた建築家の一人、である。

図書館は、大学の規模からすると小降りな印象だけれども、室内に入ると、かえってそれが人間的なスケールというか、親密性のある空間になっていた。

中でも、トップライトが巧みで、デスクの上を優しく照らしている。本の森で人の居場所だけをぼんやり照らしている柔らかい空間、である。

暖房器具、照明器具、家具など、その多くがオリジナルで丁寧にデザインされている。心遣いがあまりにも繊細だから見逃してしまいそうになるけれど、注意深く見ていると、徐々にデザインの意図を理解することになる。

この図書館、取り壊しが決ったそうである。・・・残念。








2015年6月3日水曜日

家族旅行

先日、家族旅行で温泉に行った。恒例で、今回は14名の御一行。

温泉に着くと、いつものことだけど、まず大浴場に行く。
まだ、他のお客さんが居なくて、一人、湯船につかっていると、なにやら子供の声が聞こえて来た。
最初、4.5才ぐらいの幼児が、キャッキャ言いながら、入って来た。
続けて、そのお兄ちゃんらしき子供が入って来たと思ったら、間髪入れずに、更にそのお兄ちゃんが。

よく似てる3兄弟で、次々と入ってくる姿に拡大コピーを見ているようで、思わず頬が緩むと、最後にお父さんが入って来た。
どこからどう見ても、3兄弟のお父さんである。

僕の家族もよく似ていると言われるけれど、
はたから見たらこんな感じなんだろうか?と、タオルで顔を隠して、笑ってしまった。
画:hiromichi yasuda