7・8年前になるだろうか、北上川の葦を使って茅葺き屋根の施工をしている熊谷さんを訪ねた事がある。当時は、そこに熊谷さんの作業場や多くの建物が建っていて、一つの集落をなしていた。
今回訪ねたこの地は、神社を残して跡形もなく無くなっていた。*
現地を案内してくれた地元の被災者の方の話を聞くと、胸が熱くなった。
「この地に住みたいけど、100年後、150年後にまた同じ津波が来ると思うと、孫や曾孫に同じ思いはさせたくね」
今回の調査で、その地に住みたい人、高台に移転したい人、既にその地を離れた人、いろいろな人達の話を聞いた。様々な立場で故郷に対する思いを持っているので、復興が一筋縄で行かないのは良くわかった。一人一人の話を聞いていると痛切にそう思う。
でも、復興は進めなければいけないし、人が生活する為には住む場所が必用だ。
復興に少しでも役に立てたらと思う。
[*幸い、熊谷さんは場所を移して今は復興に尽力されていると聞いた。]
尾崎集落調査:取り壊しが決まった網元の家
画:hiromichi yasuda
0 件のコメント:
コメントを投稿