環境デザイン・アトリエ

横浜の建築家からのメッセージ。
日々感じた事を綴ります。

2014年8月30日土曜日

居住性が良い建物・・・というジレンマ

商店街や街の賑わいが無くなった・・・と言われて久しい。
いろいろな試みが行われているけれど、なかなか苦戦している。

ところで、「賑わいのない街」について、前から思ってたことがある。
ただ、確証がないし・・・そもそも建築設計者として大きな声で言えない微妙な問題、というか・・・・


最近、柳田国男の「明治大正史世相篇」を読んで、ポン!と膝を打った。
柳田は、明治時代の居住性の悪さを指摘していて、日本の住居は、寒い、暑い、暗い、狭い、等々問題が多い。特に、狭いのは面倒で、部屋に一家が揃うと高温多湿の日本では、暑苦しくてむさ苦しい。

どうしてたかと言うと、当時は神社の境内、路地、諸々の外部を居住域として考えていて、特に子供なんかは、明るいうちは、家によりつかなかったとのこと。

生活に対して、居住性の問題は大きくて、建築の歴史は居住性改善の歴史だったと言える。今日の夏涼しく冬暖かい、部屋は広いし明るいし、という快適性は、何よりも先輩建築家たちの努力のおかげである。
おかげで、外に出るよりよっぽど快適な建築が出来てしまった。

と、言う訳で、結局・・・それで、街(外)から人が・・・・・
画:hiromichi yasuda


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