新橋に当時の代表作が二つあるから、建築見学を企画しちゃおっか?・・という軽いノリだったけれど、実物を見るとディープで面白い見学会になった。
まずは、静岡新聞社のオフィスビル。丹下健三さんの設計で、1967年に完成している。
新橋駅から外苑通りを北にむかうとすぐにある目立つビルだから、知っている人も多いと思う。
当時は首都高や新幹線、地下鉄線などの交通網がドンドン整備されていって、東京は毎日お祭り騒ぎの建設ラッシュだった。(と思う)
そんな時代の建築は、やっぱりその時代の価値観を実に良く表している。
オフィスビルの問題は、最近だと経済性とか、エコロジー(省エネ)とか、執務空間の快適性とか、人にも環境にもお財布にも優しいことがテーマになるけれど、丹下さんの建物はもっと骨太で「都市」の成長や効率性がそのまま建築のアイデアになっている。
センターコアのシャフトと枝葉のようにくっつく執務空間がそれで、このアイデアは建築計画でもあるけれど、もっと大きな都市のシステムにまで繋がるアイデアだった。
物理的にはそんなに大きく無いけれど、静岡新聞社に込められた理念はとても大きなスケールのものだった。
丹下さんが設計する事になった経緯を聞いたり、普段はなかなか見られないところまで見せて頂いたりして、静岡新聞社の福地さん、どうもありがとうございました。
次回は、中銀カプセルタワーについて。
画:hiromichi yasuda
(*)メタボリズム:主に川添登 大高正人 菊竹清訓 槇文彦 栄久庵憲司 粟津潔 黒川紀章らによって提唱された建築運動
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