人が住まなくなると、木造の建物は一気に老朽化してしまう。
十数年で朽ちて倒壊し、やがて土に戻っていく。
ところで、廃屋がそのような末路をたどることは、否定的な事かと言うと、どうも違う様な気もする。
紀元前の石造建築が未だに残っている西洋と比較すると判り易い。
新品がやがて朽ちていく風景を何千年も見てき僕らの祖先は、その全てを自然観として捉えていたのだと思う。
伊勢神宮、新正殿のピカピカの社の隣に、旧正殿の茅葺き屋根が朽ちて苔や雑草が生えている様を見た時に、それを思った。
ピカピカの新品と、それがやがて朽ちていくことの両方を受け入れていたからこそ、1000年以上も建替えを続けてきたのだろう。
画:hiromichi yasuda
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