建築では、ほとんどが、木造、鉄骨造、RC造(鉄筋コンクリート造)に分類される。
土や石やレンガで作った建物もあるけれど、ま、現代建築はだいたいこの3種類に分類される。
ところで、建築では、[ライフサイクルCO2]という考え方があって、
簡単に言うと、製品の製造、輸送、建設、使用、破棄、再利用、全ての課程を含んだ、CO2の排出総量を計算したもの。
木造だと、木材の切り出し、運搬、製材も全て。解体、処分も全て。
例えば製材する電気ノコギリの電気代をCO2に換算したり、運搬のガソリン代をCO2に換算したりと全ての課程をCO2を換算するわけだ。勿論、大工さんの現場労働で肺から吐くCO2も換算する。
(大工さんのCO2は全体では微々たるものだから影響ないけど)
ちょっと前段が長くなってしまったけれど、3種類の建物で、ライフサイクルCO2の排出は「RC造」が圧倒的に多い。
理由は、木材や鉄骨に比べて、「セメント」が、その製造過程で排出するCO2がむちゃくちゃに多いからだ。
必然的にセメントを多く使うRC造が、CO2に関しては地球に対してかなり負荷をかけている、ということになる。
今、建築の潮目が変わりつつあるのを感じるけれど、セメントのCO2の問題を解決しない限り、今までのようにRCを造り続けるのは厳しいかもしれない・・・・
画:hiromichi yasuda
安田先生、こんにちは。
返信削除建築の勉強も兼ねて、ここではガンガン質問します。
[ライフサイクルCO2]という概念で考えると、プレキャスト工法などの建築工法に限らず、コンクリートは厳しい立場になるということでしょうか?
木材も、新しい材料、新しい工法が出ていると聞きます。
つまり、公共施設などある一程度の大きさを持つ建物も、木造でつくることが主流になりえるのでしょうか?
小野寺さん
返信削除おっしゃる通り、「セメント」を使った製品は、厳しいですね。
ただ、建物を「長寿命化」すれば、話は別です。
つまり、コンクリートの建物は、建設時の[ライフサイクルCO2]が多い訳ですから、建築寿命を2倍にすれば、[ライフサイクルCO2]は単純に1/2になります。(便宜上、運用時のCO2排出は考えない事としています)
一般的には、プレキャスト化するとコンクリートの寿命が延びると言われていますから、それは可能でしょうね。
木造については、最近は法規的にも技術的にも、大規模建築が作りやすくなってきました。