建築学生を教える為。
八王子キャンパスは建築の宝庫というか、著名な建築作品がゴロゴロしているのだけど、その中ではちょっと地味目な「図書館」がある。
この図書館、最近知ったのだけど、武藤章さんの設計である。
武藤章さんといえば、北欧の建築家アールト研究の第一人者であり、アールトの影響を最も受けた建築家の一人、である。
図書館は、大学の規模からすると小降りな印象だけれども、室内に入ると、かえってそれが人間的なスケールというか、親密性のある空間になっていた。
中でも、トップライトが巧みで、デスクの上を優しく照らしている。本の森で人の居場所だけをぼんやり照らしている柔らかい空間、である。
暖房器具、照明器具、家具など、その多くがオリジナルで丁寧にデザインされている。心遣いがあまりにも繊細だから見逃してしまいそうになるけれど、注意深く見ていると、徐々にデザインの意図を理解することになる。
この図書館、取り壊しが決ったそうである。・・・残念。
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