環境デザイン・アトリエ

横浜の建築家からのメッセージ。
日々感じた事を綴ります。

2014年6月16日月曜日

パラダイス(イランその2)

イランでの最初の宿泊は、テヘラン南部のカシャーンという町のホテルだった。
旧邸宅をホテルに改装したその建物に入ると、初めて見る「中庭」があった。

「パラダイス」は、楽園とか桃源郷とか極楽浄土とか・・至福の空間の代名詞みたいになってるけど、元々は古代ペルシャの中庭「パイリダエーザ」が語源だそうだ。

惜しげも無く湧き出る噴水と、透明感溢れる池。
あおあおとした樹木と色とりどりの花、小鳥の鳴き声、木陰にハンモックなんか吊るして本でも読みたくなる、架空の楽園。

動物は愚か、植物すら見捨てた様な砂漠を延々と走ったのちに、やっとたどり着いた集落で最初に待っていたのが、そんな楽園の風景だった。

翌日、窓から差し込む日差しと小鳥の声で目が覚める。
ホント? まさか、童話の世界じゃあるまいし・・・
パラダイス・・・・は、これか、
身をもって知った瞬間。

一つ、残念だったのは、僕が薄命の美少女、かなんかだと絵になったのだけど・・・・
健康すぎる中年男性・・の憂い。
画:hiromichi yasuda

0 件のコメント:

コメントを投稿