旧邸宅をホテルに改装したその建物に入ると、初めて見る「中庭」があった。
「パラダイス」は、楽園とか桃源郷とか極楽浄土とか・・至福の空間の代名詞みたいになってるけど、元々は古代ペルシャの中庭「パイリダエーザ」が語源だそうだ。
惜しげも無く湧き出る噴水と、透明感溢れる池。
あおあおとした樹木と色とりどりの花、小鳥の鳴き声、木陰にハンモックなんか吊るして本でも読みたくなる、架空の楽園。
動物は愚か、植物すら見捨てた様な砂漠を延々と走ったのちに、やっとたどり着いた集落で最初に待っていたのが、そんな楽園の風景だった。
翌日、窓から差し込む日差しと小鳥の声で目が覚める。
ホント? まさか、童話の世界じゃあるまいし・・・
パラダイス・・・・は、これか、
身をもって知った瞬間。
一つ、残念だったのは、僕が薄命の美少女、かなんかだと絵になったのだけど・・・・
健康すぎる中年男性・・の憂い。
画:hiromichi yasuda
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